注文住宅はどういったところが良いのでしょうか?
注文住宅の特徴は自由に設計ができるということですが、これは単に好きな間取りや好きなデザインにできることに留まるだけではなくて、そこから派生する数多くのメリットがあります。ここでは注文住宅のメリットについて解説します。
好きな土地を選べる
家にこだわりを持つと言った場合、住宅そのものにもこだわりはあるでしょうが、どこに住むかということも大切ではないでしょうか。どのようなところに住みたいかというのは、まさにその人の価値観であると思います。また、親から土地を譲ってもらったり実家を建て替えるといった場合もあるかと思います。注文住宅の場合はそもそも土地の段階から自由に選ぶことができるというメリットがあります。
家を建てるための土地を探すには不動産屋を使うことが一般的ですが、工務店などの建築会社を通じることもできます。注文住宅の手順としては土地を確保してから設計をするのですが、実務的には土地探しと建築会社探しは並行することが多いです。また、住宅ローンのこともあるので、土地か建築会社か金融機関かどれかが先に決まっている(こだわりやしがらみがある)ということもあるので、そういったことの組み合わせという意味でも注文住宅は自由度が高いのがメリットです。
好きな間取りやデザインにできる
これこそが注文住宅の最大のメリットではないでしょうか。多くの人にとって一生に一度の最大の買い物であり、自分と自分の家族のライフスタイルを決定づける大仕事です。法律と予算の許す限り、かなり自由でわがままな要望を建築会社に相談してもかなえてもらえます。
そんな住宅はあなたの夢と希望の詰まった世界で一つだけの家で、建てたときの満足度や幸福度は非常に高いものがあります。それもお一人だけではなく、家族で一致団結して様々なことを話し合って、なにもないところから形のある大きなものを作り上げていくという経験ができます。
多様なライフスタイルに対応できる
二世帯住宅は分譲住宅ではあまりありません。分譲住宅は良くも悪くも平均的な家族構成を前提とした平均的な間取りになりますので、人の生き方や家族の形も多様になってきた今、ライフスタイルとライフステージに合わせようとすると分譲住宅では難しくなっています。注文住宅ならば、そういったことにも配慮できます。
設備や素材にこだわることができる
注文住宅はでは、例えば床や天井に肌触りやアレルギーに配慮した素材を使うとか、吹き抜けがほしいとか、ペット用の通路や足洗い場がほしいなど、自分や家族のニーズやこだわりに合わせた選択ができます。
周囲の住宅とデザインが重ならない
分譲住宅は素材を共通化することでコストを抑えていますので、分譲住宅の区域の中は基本的には同じようなデザインの家になります。せっかくのマイホームを手にしたのに、隣と同じような家というのでは、少し物足りないのではないでしょうか。
注文住宅では家の外見は法律や予算の許す限りは好きなようにできますので、周囲の住宅と同じようなデザインになる心配はありません。
予算を自分で設定できる
こだわるところにはとことんこだわり、こだわりの薄い部分は安価な汎用品にする、ということで予算を調整することができます。生活の中で何を重視するかは人によって違います。子供のいない家庭に子ども部屋は不要でしょうし、広い庭を持つということに夢を感じる人もいるでしょうから、建物よりも土地の予算配分を大きくして広い土地を取得するのもありです。逆に庭をあまり重要視しない人もいるでしょうから、その人はそのようにすることができます。予算の上からもデザインやプランをまとめるという意味からも、注文住宅は自由であるだけに、大切なものとそれほど大切でないものの切り分けが重要になりますし、そういった価値観を家族とあらためて共有するということも、かけがえのない家族の経験となるのではないでしょうか。
工事中の様子から確認できる
分譲住宅は建売住宅ともいいますが、この建売住宅という言葉が示すとおり、すでに建っている住宅を購入することになります。したがって建てている途中の様子はうかがい知ることができません。
このやりかたには手抜き工事の疑惑がつきまといます。もともと分譲住宅は、不動産会社などのデベロッパーがあるていど広い土地を買い、複数に分割して、同じ場所に同じような仕様の家を建てあす。これによって同じ建材や設備をまとめて注文できますし、同じ場所で施工ができるために建築費用や人件費を安く抑えられます。よくできた仕組みではあるのですが、工期短縮こそがコストカットの要であるだけに、そこに手抜き工事のインセンティブが働いてしまうことは否めません。もっとも、第三者機関による点検もありますし、保険のこともありますので、分譲住宅イコール手抜き工事というのは間違っています。しかし、そうしたほうが儲かるという仕組みがあり、通常買い手はそれを見抜く知識を持っていないということもあります。もしかすると、ひょっとすると、という疑問は拭いきれません。
注文住宅ではこの危険性が格段に減ります。施工業者からすれば施主がいつ見に来るかわからないというのはプレッシャーになりますし、この後誰が住むかわからない家を建てているときよりも、誰が住むのか家族ぐるみではっきりしているという場合は、人情として手抜きはしにくいものです。また設計の段階で施工に必要な時間と金額は確定しているわけなので、それをことさら低く抑えるインセンティブに欠けます。注文住宅であっても時間と金額を減らしたほうがコストダウンになるのは他品なので、そういったことがもちろん皆無とはいいませんが、これは純然たる犯罪です。損得の問題だけに限って言っても、施工業者にとってはデメリットがメリットを上回るでしょう。
もっとも、建築途中の家を見るというのは手抜き工事の抑止というネガティブな意味だけではなくて、なによりも自分の家がだんだんと出来上がっていく様子に感動できること、その感動を家族と共有できるということのほうが大きいように思います。一生に一度の大きな買い物にふさわしい感動と愛着こそが、ゼロから作り上げていく注文住宅の醍醐味であると言えるかもしれません。
業者を選ぶことができる
実はこれが一番大きな事かもしれません。家を建てるにあたってはよく「一生に一度の大きな買い物なので、業者はよく選びましょう」と言われます。たしかにそれはその通りなのですが、住宅や不動産関係の仕事についているとか、地域社会で特別顔が広いというのでない限り、工務店などの施工業者について比較検討できるほど多く知っているという人は少ないのではないでしょうか。
ですのでやはり施工業者を選ぶ時は、評判であったりとか、信用できる人からの紹介ということになります。特に、実際に家を建てた人のお宅を訪問して、住んでいる人の評価を聞くというのが、一番確実だし現実的な方法ではないでしょうか。そしてその人が「この家を立てた工務店は良かった」というのならば、そこに頼むことを前提としてその他のことも考えるというのが、一番現実的な話であるというようにいえます。注文住宅であればそういった会社を選んで施工してもらうことができます。